2006年10月23日
異次元空間へのドライブ
大学は夏休みに入った。私は自主トレとして、ニューヨーク在住の
著名なピアニスト、R・Hの指導を受けた。車を猛スピードで飛ばせば、
ボストンから4時間ほどなので、レッスンはいつも日帰りだった。
そんなある日、学生結婚した友人夫婦が「ニューヨークに行きたい」と
言うので、日帰りを条件に連れて行った。
不思議な出来事に遭遇したのは、その帰路だった。
夜の12時にニューヨークを出て、途中でレストランに入り、
食事を済ませたのが深夜の2時。疲れていたので、6時間かけて
ゆっくり帰ることにしたので、この時点でボストンまであと4時間はかかる計算だ。
95号線のハイウェイは海岸沿いにあり、7月には濃い霧が発生する。
しばらく走っていると、この晩も霧に包まれた。
「ちょっとあぶないね」
「でも、帰らなくちゃいけないし、気をつけて走るようにするよ」
しかし、霧はどんどん濃くなった。
「これちょっと、ヤバイんじゃない?」
後部座席へ声をかけると、友人夫婦はすでに寝ていた。
「あんた達、知らないわよ。のんきに寝ていて事故にあっても」
しばらくすると、標識がうっすらと見えた。
『Worcester rcester 10 mile ahead(ウースターまで10マイル)』
ウースターはボストンから1時間ほどの街だ。
現地には濃霧にあったときのために黄色い電光掲示板が設置されている。
後部座席の2人に声をかけた。
「ねぇ、ちょっと、起きてよ。あと1時間くらいでボストンだよ!」
2人はようやく起きて、「ほんとうだ」と寝ぼけ眼で窓を見る。
「それにしても、すごい霧だね」
「ドラキュラでも出てきそうな感じで気味が悪い」
ところが、喜びも束の間だった。走れば走るほど、
霧はドライアイスのように周囲にどんどん立ち込めてくる。
ハンドルを握る手にも力が入った。それからも、かなり走り続けたが、
とうとう視界がまったくきかなくなってしまった。
ふたたび標識が見えた。『Worcester 10 mile ahead』
さっき見た標識と同じだ。
「おかしいよね。さっき通ったじゃない……」
「別の標識かもしれないよ。もうちょっと行ってみようよ」
進むと、また標識が見えた。
『Worcester 10 mile ahead』
「また同じじゃない! なんなの、これは!」
「いったいどうなってるの?!」
私たちは唖然とするばかりだった。友人夫婦のご主人も、
恐怖と苛立ちで顔をこわばらせて言った。
「ぜんぜん進んでないじゃないか……」
体中が汗ばんでくる。
「でも、さっきから走っているのは知ってるでしょ?
ほら、ガソリンだって減ってる……」
彼らはメーターを確かめた。
「たしかにそうだ……」
「じゃ、どういうことなのよ!」
「わからないよ!」
これからなにが起こるのだろうと思うと、背筋が寒くなった。
To be continued
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コメント
ちょっと怖すぎません?
こちらも背筋が寒くなります。
投稿者 団塊世代が心と身体とお金の健康を考える!byヤスオ : 2006年10月23日 19:35
こんばんは。
いやぁ~、またまた怖い!
ヤスオさんと一緒・・・背筋が寒くなりますぅ。
昔独身時代親にお金をもらってヨーロッパ8カ国を旅行したことあったんですよ。
ドイツのアウトバーンですごい濃霧が発生。
ホテルの外も1メートル先が見えない。
手探り状態で歩いて、人とぶつかって「キャッ」と叫んだことを思い出しました☆
投稿者 ひまわり : 2006年10月23日 23:39
ヤスオさん、ひまわりさんへ
コメントありがとうございます。
心霊っぽい展開はもうすぐ終わって、
ちょっとべつな局面に入りますから、
もう少しだけガマン? してください。
お願いしま~す!
投稿者 ナポリタカオ : 2006年10月24日 12:16