2006年07月01日

ロンリー・ガードマン(2)

これは(1)から続いています。
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警備室には赤外線探知器によって、
夜間のフロアをうろつく人間を探知できるシステムがあった。
人間がどこを通って、どのように移動しているかが、
警備室にいながら光の点滅でキャッチできる。
しかし、ときどきネズミが走りまわって点滅させるので、
ろくに役に立たず、通称「ネズミランプ」と呼ばれていた。
現在はこんな警備システムはとられていないだろう。

ガードマンは睡眠を交代でとる。
用意された部屋で寝なければいけないのだが、
長椅子のある展示コーナーで寝ることも多かった。
新人のN氏に1話で登場した先輩が言った。
「N、お前、今日6階で寝ろよ。あそこ、長椅子があっていいぞ」
「またなにか、へんなことたくらんでるんじゃないでしょうね?」
「やだなあ、そんなはずないだろ」
彼は笑ったが、妙なことをつけたした。
2時を楽しみにしてろよ」
「なんですか? お化けとかやめてくださいよ」
「そんなのじゃないよ。お楽しみだよ、へへへ」

N氏は先輩のすすめにしたがい、6階の長椅子に横になった。
そしていつのまにか、眠りに落ちた。

リリリリリ! ビビビビビ! ジリジリジリ!
突然、けたたましい物音が6階のフロア全体に鳴り響いた。
N氏は飛び起きた。「火事か?! 侵入者か?!」
ところが様子がおかしいのである。
音はこのフロアの中で鳴っているらしい。
暗闇に目を凝らしてみると、なんとフロアの時計店に置かれた、
数十個の目覚し時計が一斉に鳴り響いていたのである。
時間は午後2時。
「あいつ……」

そのとき、警備室の中では、「先輩」が
ネズミランプを見ながら悪魔の笑みを浮かべていた。
N氏がフロアぜんぶの目覚し時計のスイッチを切ってまわる様子が、
逐一、ランプの点滅で表示されていたのである。
その後、N氏が新人ガードマンに
同様の試みを行ったのは言うまでもない。

The End
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投稿者 Napori Takao : 12:18 | コメント (3)

コメント

この間まで入院していた愛知がんセンターで
深夜にいつもの如く喫煙所を目指してついでに棟内を徘徊してたら
誰もいないはずの暗いロビーからいびきが二人前聴こえて来ました。
輪唱みたいな感じで。
そこに見たのはソファに横たわる普段着の青年の姿でした。
もしかして帰宅しそびれた夜警さんだったのかな。

投稿者 fuk : 2006年07月02日 10:05

こんにちは。
夜中に悪趣味ですね~。
でも、楽しんでいるんですね♪

投稿者 ひまわり : 2006年07月02日 16:14

fukさんへ

その可能性は高いんじゃないですか。
病院関係者かもしれませんね。
しかし、度胸ありますね。その青年もfukさんも。


ひまわりさんへ

こんなことしか、楽しみないんですよ、ほんとに。
テレビもないですし。
都会の孤独を実感したものです。

投稿者 Napori Takao : 2006年07月03日 10:55