2006年06月30日

ロンリー・ガードマン(1)

今回の出来事は1980年代後半にさかのぼる。
当時、N氏はある百貨店で夜間常駐警備のアルバイトをしていた。
電気が消えた店内を懐中電灯を持って、3人組(だったと思う)で、
「おまえはA階段、おまえはB階段」というように、
一定の時間ごとに手分けして巡回するのである。

とくに怖いのは、各階にある在庫の倉庫だ。
ドアを開けて中をのぞき、不審人物がいるかどうか、
歩きまわって確認しなければならない。
SF、オカルト映画などで凶暴なエイリアンなどが潜みやすい、
まさにその場所である。たいていのエキストラ俳優は
ドアを開けて間抜けな顔でうろつきまわるうちに、
物陰から出てきた生命体にグサッと噛み殺されてしまうのだ。

ある先輩が新人のN氏にある知恵を授けた。
「ドアを開けたら、『おい、そこのお前』って声かけるんだよ。
本当にそこに誰かがいたら、人間の心理として、
『えっ?』って立ちあがるから

真偽のほどはともかく、怖がりなN氏は
それを信じて毎日、実行したのである。

そんなある日、新人に最初の試練が待ち受けていた。
「おい、そこのお前」
いつものようにドアをあけて声をかけた途端、
暗がりからすっとなにかが立ちあがった。
「あっ!」
驚いて腰を抜かすN氏に、暗がりから姿を現した先輩が言った。
「へへへ、本当にやってるかどうか、確認してみたかったんだよ」
彼は真夜中の暗い倉庫に先回りし、数十分も息をこらし、
N氏を待ちつづけていたのであった。
この男の恐れを知らない無邪気な性格は、このあと、
N氏をさらなる恐怖に突き落とすことになるのだ。

                   To be continued
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
人気blogランキングへ
↑ブログランキングに参加しています。クリックで応援いただけるとありがたいです。


投稿者 Napori Takao : 09:24 | コメント (2) | トラックバック (0)

このエントリーのトラックバックURL

http://napori-japan.com/mt/mt-tb.cgi/61

コメント

懐中電灯をアゴの下から照らしながら
実践してみたいと強く思いました!
だって怖いんだもーん。

>物陰から出てきた生命体にグサッと噛み殺されてしまうのだ。

ありますよねー映画やサスペンスの冒頭あたり。
犠牲者の数が気になる所です。

投稿者 ユエ : 2006年07月04日 10:58

ユエさん、おひさしびりです。
コメントありがとうございます。

「犠牲者の数」とは、さすがですね。
パニック系ですね。それも街ぐるみ、みたいな。


投稿者 Napori Takao : 2006年07月04日 11:50

コメントを送ってください




ログイン情報を記憶しますか?

(スタイル用のHTMLタグが使えます)