2006年06月28日
新品の服に振りかかる惨劇(2)
最初の異変はなんの変哲もない住宅街で起きた。
自転車を走らせていると、突然、パタパタと肩に音がする。
自転車を止めて肩を見ると、水で濡れていた。
雨なのかと思って空を見たが、雨ではない。
奇妙に思い、通り過ぎた地点を振り返ってみれば、
道路の1カ所だけが水にぬれていた。
どうやら道路に面した住宅で、高い植木に水をやっていて、
その雫が樹木から道路にポタポタと垂れていたのである。
大人のN氏は、このくらいでムッとしない。
今日は水に気をつけろということか、と思い直し、
トンネルや橋の下を通るときには、とくに気をつけた。
そしてなにごともなく、ラーメン屋の密集地帯、蒲田駅に到着した。
もう5軒以上に入っているので新しい店を探すのに迷う。
西口表通りから裏通りへ。
自転車を止めたまま、路地でキョロキョロしていた。
そのときだ。なにかが、ボタッと肩に落ちてきた。
さっきと同じ左肩に、しかしさっきの水とは違う、
どこか重い質量をともなったモノ……
なんだ?
見ると、そこには鳥の糞が!
「あーっ!」
しかも、糞はあまりの重量のため、1度左肩に落ちた衝撃で、
2つの塊に分解され、もうひとつはバウンドしながら
水分を引き連れて、袖口近くまで転がり落ちていたのだ!
新品のブルーのシャツが見るも無残であった。
「クソッ(ダジャレではない)!」」
歯ぎしりしながら見あげると、1羽のハトが
尻をこちらに向けたまま、電線に悠然ととまっていた。
「なにが平和の象徴だよ。お前なんか、
カラス食ってる人(過去記事参照)に食われちまえ!」
しかし、いつまでもののしっている場合ではない。
すぐに対応しなければシミになってしまう。
が、ティッシュもハンカチも忘れてきたのに気づいた。
彼は迷ったあげく、というよりその選択肢しかなかったのだが、
蒲田温泉で使うはずだったタオルを取り出した。
ゆっくりと、ふたつにわかれた塊をタオルで払い落とそうとするが、
「あっ!」
塊は絵の具のようにダラーッと伸びて、
さらに広範囲にわたり、服が汚れてしまった。
「あっ! クソッ! なんでだよ! あっ! クソッ!」
うろたえて、蒲田の裏通りで一人、泣きべそをかく男に、
声をかける者など誰もいなかった。
「どうせなら、頭のうえにやってくれてよかったんだよ、
どうせ風呂いくんだからさ……」
結局、糞のシミは直径3センチの汚れが2つと、
数センチにおよぶ水分の汚れとなった。
「ああ……おNew(死語)のシャツが……」
がっくりするN氏の肩に、今度は本当の雨が
ポトポトと悲しげに音を立てて、落ちはじめた。
彼が帰り道、泣きながら神社にとびこみ、
厳粛に茅の輪くぐりを行ったのは言うまでもない。
The End
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投稿者 Napori Takao : 09:41 | コメント (3) | トラックバック (0)
コメント
こんにちは。
やはり茅の輪くぐりをちゃんと
やりなおせばよかったんですね。
なんでも思ったらすぐにやろう☆
投稿者 ひまわり : 2006年06月28日 18:40
有りそうな話ですね。あれをやってから出かければなんて思うこと良くありますよね。
投稿者 団塊世代が心と身体とお金の健康を考える!byヤスオ : 2006年06月28日 20:40
ひまわりさん、ヤスオさんへ
またさらに似たような「事件勃発」です。
また書きます。
ところでおふたりのブログも拝見していますが、
ひまわりさん、よろしかったら
左バーにリンクさせていただきますが、いかがでしょう?
投稿者 Napori Takao : 2006年06月29日 10:34
コメントを送ってください